2010年8月28日土曜日

RZ30周年記念イベントに行ってきた

ヤマハ発動機が開発した「ナナハン・キラー」の異名を取る名車「RZ」が発売されてから
今年で30年。
日本はおろか世界的に名車として名前が轟いているバイクは、
長いバイクの歴史をみても極めてまれだ。
RZはその「極めてまれ」な部類に入る貴重なマシンだ。
そのRZの記念イベントがヤマハ発動機本社で開催されると聞いて、
これは行くしかない。
ということで、行ってきた。
実は7月の下旬に第1弾の記念イベントが開催されていたので
今回は第2弾だ。
前回は私の都合が悪かった上に、
会場へ乗って行くバイクはRZかRZ-R、RZVのみ可と車種が限定されていたために
どっちみち私は参加できなかった(我が家にはRZ250RRがあるけれど、現在冬眠中)。
ただ、今回はヤマハの2スト車ならOKと若干制限が緩和されていたから、
TZRに乗っていそいそと出かけることにしたのだ。
静岡県磐田市にあるヤマハ発動機本社のコミュニケーションプラザに10時集合。
ということは、7時半くらいに出発すれば余裕か?
が、ちょっと寝坊してしまったために
家を出るのが8時過ぎになってしまった。ヤバイ!
でも、まあ焦らず行こう。
ウチから東名の岡崎ICに向かい、そこから高速に乗る。
バイクで高速に乗るのはかなり久しぶりだ。
多分5年以上は高速を走ってないだろう。
名古屋高速は今年の5月に乗ったが、
あの道は本当の意味での高速道路ではないからなぁ。
岡崎ICから入った直後は結構混んでいて、
80km弱くらいでしか走行できない状態であった。
しかし、静岡県に入るくらいから徐々に流れ始め、
100km前後でも走行できるようになった。
 普段は聞くことの無い高回転のエンジン音。
調子がよい粒の揃ったいい音だ。
そりゃおよそ半年前に俊樹にクランクまでオーバーホールしてもらったエンジンだからな。
時速90km以上になると体に受ける風がかなりの強さとなるため、
体を目一杯前に倒してタンクの上に伏せる。
浜名湖や天竜川などでは横風も結構あって、ちょっと振られて怖い。
長い下りのコーナーなどでアウトコースに吸い寄せられるカンジがすることもある。
でも、小気味良い走りにしばし浸る。
 TZRは6速80kmで4,500回転、
6速100kmで約5,500回転。
大体6,000回転以上がパワーバンドだから、
普段街中で乗っているとき(私は大体3,000~4,000回転で乗っている)とはアクセルの反応が全く違う。
モリモリ盛り上がってくる太いトルク。
ちょっとアクセルを開けただけでバーンと加速する感じ。
2ストはパワーバンドに入るとターボが掛かったように2次曲線的な吹け上がりをする
エンジンだからだ。
追い越し車線に入るときなどで加速をする場合でも
シフトダウンしなくてもかなりスムーズにスピードに乗ってあっという間に100km超だ。
高速走行約1時間で磐田ICに到着。
そこからヤマハ本社までは10分くらい。
実は、ヤマハ本社に来たのは今回が初めて。
ヤマハ党としては初めての聖地ということでちょっと感慨深いものがあったりして。
我がTZRも初めての里帰りだ。
現地に着くと既に30台くらいのバイクがあった。
ほぼ全部がRZだ。
RZ以外で参加しちゃいけなかったかなあと思っていたが、
TZRできている人も3人いて一安心。
バイク雑誌の取材も来ていて、1台ずつ写真を撮ってくれた。
来月か再来月の「ロードライダー」という雑誌に記事が載るらしい。
私の写真も掲載されるのか??


RZのオーナーだから若い人はあまりいないと思っていたが、
思ったとおりだった。
20代の人は多分いない。
30代以上がほとんど。
平均年齢は40代だ。
60代もいたし。
いい顔したチョイ悪オヤジ達が勢ぞろいだった。
自分のマシンは自分で整備して、バイクのことなら何でもできそうな人ばかり。
私なんか足元にも及ばない。
他社のマシンの部品を流用したり、一点もののパーツを作って組んだりしてるとか・・・。
勉強になる話も多い。
RZにMVX250Fのフロントカウルを付けて、
リアはスズキの何かのバイクのホイールを装着という変わった改造をしている人もいた。
専門用語やバイク乗りに通じる俗語などが飛び交って楽しい会話になる。
今回の主催者はReiZというRZオーナーの会。
私は会員ではないが参加できると聞いての参加だ。
会場で知り合った数人の人たちとしばしバイク談義をする。
イベントは11時から開始。
今回は「RZ30年オメデトウ~!」というお祭り騒ぎをするイベントではなく、
実は今後のRZを見据えるためのイベントでもあった。
大人の会だから、ただの楽しむだけのイベントとは違う。
難しい内容の話だが、司会の話し方が上手でとても分かりやすく
共感を持てる内容であった。

今回の議題は次の4点。
①RZは旧車?
②フルノーマルとカスタム
③悪貨は良貨を駆逐する
④RZの特殊性について
①について、どこまでが旧車なのかその定義は?という話であった。
外車の二輪の世界では、
メーカーの部品在庫が無くなり、中古部品の市場でも購入がかなり難しくなって
1点モノのパーツを作っていくしかない状態になったバイクを旧車と称しているらしい。
②について、フルノーマルで乗るのが好きな人、カスタムが好きな人と分かれるが、どのようなものをカスタムというか?という点も微妙なところだ。
③については、メーカー純正ではないバッタ物と思われるRZのピストンが例に挙げられ、
最近の日本を取り巻く生活環境や購買層の傾向の話とリンクさせてバイクの部品市場の話となった。
④について、某バイク雑誌編集部の話として、単独バイクのムックを出版して商売になる(赤字にならない)バイクはRZとSRしかないという話がでた。
かつて世界を席巻したNSRや各メーカーの代表的なバイクのCBや刀、ニンジャでは出版物としては商売にならないらしい。
これは驚きであった。
それだけRZは多くのライダーに認知され、ファンが今でも多くいる稀有な存在ということが言える。つまり、これがRZの特殊性であるという話となった。
RZファンとしてはとても嬉しいことで誇りに思う。

ということを前提に、
日本中に多数存在するRZオーナーズクラブやファンクラブなどを統合して
全日本RZオーナーズクラブというものを設立してみたい、
という話となった。
設立の一番の目的はある一定レベルに達している確かな部品を供給してもらい
RZを末永く乗り続けられる環境を作ること。
既に製造中止になってからかなりの年月が経過しており、
純正部品の欠品は当たり前となっている。
そういった状態に付け込んで粗悪部品を安く売りまくられたら
生き残るRZの数は激減してしまう恐れがある。
次回、RZ40周年イベントに来られるRZが果たして何台あるか・・・
という話も出た。

ただ、前途は多難だ。
RZのオーナーズクラブに信用がなければ誰も言うことは聞いてくれないだろうし、
反社会的な者(暴走族など)の集まりと思われるようなバイクに乗っていたらいけないし。
そもそも、RZの特殊性を知らずに乗っている輩がいるし、
フルノーマルで乗るかカスタムで乗るかという点も意見が分かれる。
その上に、最近は旧車會と称する暴走族が多数存在し、
そういった奴らでもRZをカスタムして乗っている(YouTubeに多数画像がアップされていてがっかりした)。

私も走り優先のカスタムはある程度いいとは思うけど、
基本的にはノーマルで乗るのがスジだと考えている。
それは、カスタム=改造とも言えるから。
250ccは車検が無いからどれだけ改造してもいいというカンジになっている。
だから好みの仕様に改造したいために250ccのバイクに乗る人も多い。
しかし、400cc以上のバイクに乗る人たちから見て
250ccのバイクの地位が低く見られているのはそういった面があるからだと感じる。
本当は改造は違法な場合が多いのだけれど黙認されている。
車検が無いからチェックされないし。
そういった改造できるパーツを作っている会社も販売・取り付けをしている店もある。
どこまでの改造ならOKで、どこからがダメなのか・・・。
そんな線引きはできない。
でも、何か取り決めをしなければ暴走族や走り屋の取締りはできないし。
今回参加していたバイクのほとんどはどこかがいじってある(ノーマルでは無い)状態だった。
今後どうなるか・・・経緯を注目していきたい。

あと、本当は最後までいたかったのだが、
夜に地元の祭礼の中老行司の飲み会に誘われていたためにやむを得ず15時で帰宅することに・・・。
集合写真に収まることができず残念だった。
それと、知り合いになった豊橋の方などにキチンと挨拶せずに帰ってきてしまったことも心残り。
またどこかでお会いできるかなぁ。